調乳用の水、子どもに安心な水
調乳には軟水(Soft Water)がよいとされています。
では、軟水とはなんでしょう。硬水(Hard Water)とはなんでしょう?
水質を表す指標のひとつに硬度(Hardness)があります。日本とカナダと指標が違いますし、カナダでも地域によって違いがあります。州の中でも差があります。
一般的にカルシウムやマグネシウムなどミネラル(無機質)の含有量で、硬水、軟水と分けられます。ミネラルの多い水ほど硬水と呼ばれます。
硬度を表すには、国によって異なるのですが、日本や北米ではカルシウムとマグネシウムの量を炭酸カルシウム量に置き換えたものを硬度(水道水の水質基準では「カルシウム、マグネシウム等(硬度)」と表わす)としており、
1リットル当たり1mgを1度としています(※したがって、硬度は、カルシウム、マグネシウム自体の量を示しているのではありません)。
炭酸カルシウム量として 1mg/lを1度として基準にします。
区 分 WHOの基準 一般的な基準
軟 水 0~ 60mg/l 0~100mg/l
中程度の軟水
(中硬水とも言う) 60~120mg/l 100~300mg/l
硬 水 120~180mg/l 300mg/l~
非常な硬水 180mg/l~
一般に、軟水は浸透が早く、吸水性に優れ、老廃物の排出がスムーズになり、乳幼児や高齢者などの消化機能にも
負担をかけません。
昆布やカツオのだしをとる際にグルタミン酸等の旨味成分を引き出し、日本料理全般に適しています。
炊飯も、軟水の方が美味しく炊き上がります。
日本茶や、紅茶、コーヒー、及びウィスキー等の香りを引き出す効果があるといわれます。
赤ちゃんの調乳には硬度が0mg/Lが最も適しています。
石けんや洗剤の泡立ちも良く、生活用水としても適しています。
逆に、硬水は、スポーツ後のカルシウム補給やダイエット、便秘解消に役立ちますが、消化器に負担をかけやすく胃腸が弱い人や抵抗力の弱い人が飲むとお腹を壊すことがあります
料理においては、肉などのアクが出やすくなるので、アクが多い料理には適している他、洋風料理やパスタを茹でる時に使うとコシが出ます。
ただし、炊飯に使うとご飯がパサパサになる上、硬水独特の苦味やえぐみが強調されるので、淡白な和食料理には向きません。
エスプレッソの場合は却って苦みや渋みが抑えられ、まろやかになるようです。
・スポーツ後のミネラル補給や、妊産婦のカルシウム補給、また便秘解消やダイエットにも役立つとされます。
また、石けんなどの泡立ちが悪いことでも知られています
日本とカナダの水道水に関しては、地域によってかなり細かく水質、硬度が変わりますが、
WHOの基準で考えるなら、日本もカナダも軟水の部類に入ります。
ヨーロッパは硬水が多く、日本国内では沖縄、千葉、埼玉、熊本、茨城、東京、神奈川の順で硬度高めですが、WHO基準では軟水~中軟水(中硬水ともいう)です。
カナダではオンタリオ、アルバータ、サスカチュワン、ノースウエスト準州、マニトバの都市部周辺は中硬水、BC州はおおむね軟水で(一部中軟水地域もありますが)、グレーターバンクーバー周辺、ビクトリアは軟水です。
調乳用、離乳食用として水道水の使用には何の問題もありませんが、雑菌は除去されたものではありませんので、乳幼児には煮沸して使用するのが望ましいでしょう。
水道水を使わない場合、または使えない場合、市販の水を使用できるかどうかについても、販売されている水によってかなり硬度が異なります。超軟水から、超硬水まで販売されていますので、それぞれ確認し、目的に応じて使用してください。
カナダのスーパーなどで販売されている水(自分で給水するもの)、Spring Waterと表示の物は、基本が水道水と同質です。
ここでは、参考までに、日本とカナダで売られている水についていくつか紹介しておきます。
カナダで売られているボトルウォーターにも雑菌は入っていますので、乳児(1歳未満)には煮沸してから
使用するほうが良いでしょう。
カナダで販売されている主なボトルウォーターでカナダ産で最も軟水で調乳にも適しているのはIce Ageです。ほかにBerg、Glace、Aquadeco、Canaqua、アメリカのCrystal Geyserなどがあります。ヨーロッパの水で中軟水はVolvicがあります。
EvianやVittelなどフランスの水は硬水です。(ラベルのCa,Mg含有量を見てください)
日本では潤命、縄文水、四万十の水、越前の自然水、立山山麓のおいしい水、などほとんどは軟水で、かなりの銘柄が売られていますが、日本の水はラベルに硬度表示がしているはずですので確認して下さい。日本で硬度の高い市販水はイオン水、石水、六甲のおいしい水、龍泉洞の水、阿蘇の水などは硬水です。